2011年7月30日土曜日

1304 Hayes

From 1304 Hayes


お別れは時に寂しいけれど、新しい事の幕を開けるために古くなった物を手放さなければならない時期が来てるなーなんて最近感じています。

一年半ほど前に農業を始めるためにサンフランシスコから一時間ほど北上したソノマ・カウンティ、ペタルマに引っ越してしまったお友達のスージーちゃん。いつかまた戻ってくるかも・・とずっと彼女のヘイズのアパートは間借りしたままにしていました。小さな部屋も入れて5つほどの部屋があった1304 Hayes のお家には常に4、5人の入居者がいて、友達が入れ替わり立ち替わりの、まるでユースホステルの様なアパートでした。

お医者さんを目指す若者、アフリカから帰って来た科学者、初めてミッド・ウェスト(中西部)を出てカリフォルニアにやって来た青年、性教育者のオランダ人の女の子。彼氏と同居中を親に隠すために仮住まいをしていた子もいれば、彼氏と同居しはじめてしまった子まで、ほんといろいろ。みんなそれぞれ夢を抱いてサンフランシスコという街にやってきて、時期を経ては移り住んで行きました。

7年間アパートの大家的な存在であったスージーちゃんにも、いよいよ宿替えをする時期が来た様です。部屋の掃除を少し手伝って、一緒に空っぽになった部屋の中にいるとなんだかずっと信じられない感じでした。街を名残惜しむ気持ちもあり、なかなか手放せないのが本音なところ。

ほんとに私ここを出るの?? I can't believe it! を二人で交互に言い合った夜でした。

大学を出て、ひとりで夢見るカリフォルニアにやって来たパイオニア・スージーちゃん。夢を見ることも多ければ、悩んだり迷ったりすることの多い激動の20代を同じ様にサンフランシスコに集まってきた仲間たちとこのアパートで過ごした青春時代。彼女自身法律事務所を辞め、有機農法を学び、今では立派な農家の道を歩み始めています。10数人の住人と亡くなった2匹の愛犬たちとの抱えきれないくらいの思い出が空っぽになった部屋に残されていました。

物も場所も無くなっても大切な時間と思い出は残るんだな・・。

1304 Hayesが幕を閉じ、彼女はやれるだけの事をもうやり遂げ次なる人生のステージに進む準備が出来たのだとふと思ったのでした。

手放すことの大切さを感じさせられる最近の一大イベントでした。

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