2011年4月24日日曜日

Even the Rain



先日久しぶりに映画を観に行ってきました。"Even the Rain(También la Lluvia)"というボリビアを舞台にした映画で、スペインから来た映画クルーが現地のインディオたちをエキストラに雇って映画を作るという話ではじまります。コスト削減のためにボリビアで映画を撮るという予定が、映画を撮る途中で現地の住民による水問題が深刻化して行き、映画どころではなくなっていくという話なのですが映画という”架空”の世界と現実の世界とが微妙に交差する興味深い映画でした。

その映画というのも16世紀のラテン・アメリカ侵略の歴史を描く映画で”撮影最中”というかたちで語られることによってより客観視できるようにつくられていた気がします。この超大作を完成させるのにやっきになるスペイン人映画クルー(Gael García Bernal)と、映画の中で主要なエキストラ役を演じるかたわら自分たちの生活に必要な飲み水を大手外国資本から守るために身体を張っての抗議活動を行う”ダニエル”との間に生じていくテンションが見応えありました。複雑なかたちでいろいろな力関係が描かれていて、500年たった今でも問題は続いているという事実にせまる、深い映画でした。おすすめです。

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