2009年1月24日土曜日

CHE

どんなフィクションよりも現実は遥かにドラマチックで興味深い。Steven Soderbergh 監督の長編映画『CHE』を観に行って思いました。前編、後編と二つのパートを合わせて4時間半。見応えありました〜!



前編はチェがメキシコからキューバに渡る所からチェの率いるゲリラがバチスタ政権打倒に成功し革命政権が成立するまでのお話。医者であり教育者であり政治家であり戦士であったチェ・ゲバラはその革命家精神を人々と共有し、自由と独立を求める戦いに成功します。

キューバでの輝かしい成功話とは一転して、後編はどん詰まりする様子が続いて辛かった・・。キューバから姿をくらまし、変装してボリビアに入るチェ。同じ様に試みた革命は上手く運ばすどんどん苦境に追いやられて行きます。残り少なくなった彼の部隊は最後に1800人もの兵士に包囲され窮地に陥ります。捕虜されたチェは死を免れず39歳の人生を終えます。

戦いのシーンが多い映画は避けがちな私にしてはかなり刺激の強い4時間半でした。ふ〜っ。

戦いの中にも栄光が感じられる前編に比べ、難航する様子を描いた後編は長いのもあって正直観ていて辛かった。もっとも二つのパートを合わせてこそCHEという人物像を描いた映画が完結するのでしょうね。両方を観るとチェの革命が二つの国で対照的な歴史を歩んだ様子が伺えます。

20世紀のカルチャーアイコン、チェを演じているのはベニシオ・デル・トーロ。実物の印象が鮮明なだけにかなりの大役だったと思うのですが、素晴らしい演技だったと思います。ハリウッド映画なだけに効果音などドラマチックな脚色は入っているものの、チェの人間味溢れる側面が強調されていてそのカリスマ性を十分に感じることができました。

ちなみにパート1、2と分けて上映される前を狙って行ったのでマチネー価格で2本で15ドル。しかも豪華版パンフレットまでついて来てかなりお得でした。ラッキー♪

歴史のおさらいに・・と映画を観た後で You Tube でチェ・ゲバラの人生が描かれたドキュメンタリーを見ました。現実の映像はやっぱり迫力あります。

チェを讃えた曲 ”Hasta Siempre"は彼が多くの人々に愛されていた事を物語っているでしょう。

権力からの解放、自由、そして平等。

チェの存在は今なお革命家精神を受け継ぐ世界中の人々のインスピレーションであり続けています。

0 件のコメント: